道場というとすぐに思いうかべるのが剣道や柔道の道場と皆さんは考えられるかと思いますが実は、お寺の本堂こそが本当の道場なのであります。お釈迦様は二五〇〇年前インドの北の方尼蓮禅河のほとりガヤという所の菩提樹の下で座禅をされてついにお悟りをひらかれました。その折の場所を金剛坐と申し、梵語でボディマンダといい、訳すと菩提道場と申します。即ち釈迦成道の場ということであります。
それがお釈迦様が人々に説法をする場所、又弟子達が釈迦の教えを受けて修行する場所を道場というようになりました。仏道をきわめ仏法を実践する為の修行をする場所を道場というと、広く考えて学問や武術を究めるために修行する所が道場と称されるようになりました。いずれにしてもそこで修行する以上はその道場はきちんと整えられていることが大切であります。しっかりした道場で心をこめて修行すればそれだけの効果は期待出来ると思います。
しかしお釈迦様の道場は特別に求めたり、作られたものではなく、歩々是道場とか直心是道場という言葉がありますように私達が日々生活するところ、又は仕事をするところがそのまま道場であると申せますし、何よりもよく整えられた自分の心の中にこそ道場があるということであります。
自分がだめなのはいい道場に行かなかったからだとか、いい学校に行かなかったからなどという人がおりますが、大変な思い違いと申せます。それほどではない学校であっても若くは学校に行かなくても自分の心がけ次第でいくらでも勉強が出来て立派な人生を送ることが出来ると申せます。
大本山護国寺貫首 岡本永司
【お知らせ】
日曜あさ9時は護国寺へどうぞ。本堂で観音経を唱え、その後、御前様のお話が聞けますよ。毎週日曜あさ9時、護国寺本堂へ直接おいでください。申し込み不要、参加費は無料です。護国寺へは東京メトロ有楽町線護国寺駅下車、1番出口をご利用ください。
http://gozensamacom.doorblog.jp/