私達は、うれしいこと、たのしいことがあると相好を崩したり、嫌なこと、苦しいことがあると仏頂面になるなど悲喜こもごもな顔つきをします。 にこやかに笑うことを、相好を崩すといいますが、この相好とは何を指す言葉でしょうか。お釈迦様は二千五百年前インドにお生まれになった大聖者ですが、只の人ではない証拠として顔や身体に百二十種のすぐれた特徴を持っておられたと伝えられております。仏教では菩薩の位にある方には更に八十種類のすぐれた特徴があり、また如来の位の方は更に三十二種のすぐれた特徴が加わって、尊くありがたい容姿を持っておられるといっております。これを三十二相、八十種好と申して仏菩薩は、このすべての相と好が欠けることなく全部そなわっているということです。相好具足という言葉がありますが、これは容貌が仏様のようにすぐれた姿、形を表現したものであります。相好を崩すというのはこの相好がほころび崩れること、つまりにこやかに笑うことを申しております。 その反対に仏頂面とは、これも三十二相の一つで、お釈迦様の仏頂から生れたという仏頂尊の顔を申します。この仏は威厳に満ち、きびしい面相をしておられるので、俗に無愛想なふくれっつらを仏頂面というようになりました。 私達は「これが人間の顔か」と疑いたくなるような多くの表情があります。その場その時に応じてさまざまな顔や形を演じております。出来るだけ仏菩薩の相好に近づくようになり、鬼や餓鬼、悪魔の相にならないように心したいものです。 大本山護国寺貫首 岡本永司 【お知らせ】 日曜あさ9時は護国寺へどうぞ。本堂で観音経を唱え、その後、御前様のお話が聞けますよ。毎週日曜あさ9時、護国寺本堂へ直接おいでください。申し込み不要、参加費は無料です。護国寺へは東京メトロ有楽町線護国寺駅下車、1番出口をご利用ください。
2012年03月
私達は、うれしいこと、たのしいことがあると相好を崩したり、嫌なこと、苦しいことがあると仏頂面になるなど悲喜こもごもな顔つきをします。 にこやかに笑うことを、相好を崩すといいますが、この相好とは何を指す言葉でしょうか。お釈迦様は二千五百年前インドにお生まれになった大聖者ですが、只の人ではない証拠として顔や身体に百二十種のすぐれた特徴を持っておられたと伝えられております。仏教では菩薩の位にある方には更に八十種類のすぐれた特徴があり、また如来の位の方は更に三十二種のすぐれた特徴が加わって、尊くありがたい容姿を持っておられるといっております。これを三十二相、八十種好と申して仏菩薩は、このすべての相と好が欠けることなく全部そなわっているということです。相好具足という言葉がありますが、これは容貌が仏様のようにすぐれた姿、形を表現したものであります。相好を崩すというのはこの相好がほころび崩れること、つまりにこやかに笑うことを申しております。 その反対に仏頂面とは、これも三十二相の一つで、お釈迦様の仏頂から生れたという仏頂尊の顔を申します。この仏は威厳に満ち、きびしい面相をしておられるので、俗に無愛想なふくれっつらを仏頂面というようになりました。 私達は「これが人間の顔か」と疑いたくなるような多くの表情があります。その場その時に応じてさまざまな顔や形を演じております。出来るだけ仏菩薩の相好に近づくようになり、鬼や餓鬼、悪魔の相にならないように心したいものです。 大本山護国寺貫首 岡本永司 【お知らせ】 日曜あさ9時は護国寺へどうぞ。本堂で観音経を唱え、その後、御前様のお話が聞けますよ。毎週日曜あさ9時、護国寺本堂へ直接おいでください。申し込み不要、参加費は無料です。護国寺へは東京メトロ有楽町線護国寺駅下車、1番出口をご利用ください。
法要に用いられる楽器や修行寺に用いられる鳴物には多くの種類があります。鐘磬の鐘は梵鐘(洪鐘)のことで磬は導師の座の右側にある平らな金属製の打ち鳴らしをいいます。そのほか梵鐘を小型にした半鐘、祈祷や法要に用いられる太鼓や錫杖、或いは鐃鉢、木魚、修法や詠歌に用いられる鈴・鉦・錀。神社、寺院の礼拝の折りに鳴らすスズや鰐口等をすべて梵音具といいます。
これらの仏具をよくよく考えてみると二つの使用目的が考えられます。即ち梵鐘・半鐘・魚板のように大衆に法要の開始や修行僧の入浴、食事等を知らせる合図に使うものと鐘・磬・木魚・音木のように法要に用いられる二種類に分けられます。しかしこれらは前述のような目的に使われるばかりではなく、大変深い意味を含んでおります。たしかに梵鐘や半鐘、磬や木魚などは人を呼び集める場合や読経の声を合わせたり、経の始まりを知らせるために使われます。
それだけなら単なる道具と異なりません。この梵音を聞く者は私達人間ばかりでなく、その響きや音は我が心の奥深くに伝わると共に、地獄・餓鬼・夜叉・鬼神などが多くの異次元の世界に堕ちている衆生にも伝わります。
梵音具を鳴らす時、その音は現実を越えた異次元世界、即ち霊界の亡者のために聞かせる仏の説法の声であります。そのように心得て、皆様もご自宅で仏壇の綸を打ち鳴らす時は、深い意味を心に念じて打ち鳴らして頂きたいものであります。
大本山護国寺貫首 岡本永司
【お知らせ】
日曜あさ9時は護国寺へどうぞ。本堂で観音経を唱え、その後、御前様のお話が聞けますよ。毎週日曜あさ9時、護国寺本堂へ直接おいでください。申し込み不要、参加費は無料です。護国寺へは東京メトロ有楽町線護国寺駅下車、1番出口をご利用ください。
六波羅密行(六度行)
布施
欲張らないこと。そうすると人に物や心をあげることができる。
仏教では布施を最も大切な行としておりますが、それには施者・受者・施物の三つが清浄なものではなくてはならぬとしており、これを三輪清浄といっております。他に布施(ほどこし)をさせて頂くことで自分の心が豊かになる。(喜捨)
持戒
約束をまもること。そうすると人に信用されるようになる。
仏法には五戒・十善戒などがあるけれども私達凡夫にはとてもそれを完全に守ることは出来ません。そうした自分の弱さ、至らなさを強く反省し許しを乞う行。
忍辱
怒らないこと。そうすると人と争わなくなる。
仏教ではこの世の中を娑婆、忍土と申しておりますが、私達は生きて行く上でどうしても他に迷惑をかけずには生きて行けません。お互いに許し合うことの行。
精進
怠けないこと。そうすると仕事がすすみ、はかどる。
私達はとかく何事にも一生懸命頑張り努力することが求められますが、仏教では頑張るというのはあまりよくないこととしております。他をおしのけるのではなく、頑張らずにゆったりとした、ゆとりのある生き方即ち「中道」を行けと申しております。
禅定
気をちらさないこと。そうすると心が落ちつく。
これは精神を一点に集中するのではなく、世の中の常識を離れて心を広く開放して行くことを目指します。
智慧
よく考えること。そうすると物事がよくわかって来る。
以上五つの波羅密行の実践により世間の知恵(人間の物差し)をはなれて、凡てを差別なく見通す仏の物差しを得ることを申しております。
お彼岸の七日間は亡くなられたご先祖さまに感謝すると共に、この六つのことを守りますとお誓いする。春秋の「生活のくぎり」の期間であり、私達の日常生活への反省と努力をすることであります。
大本山護国寺貫首 岡本永司
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日曜あさ9時は護国寺へどうぞ。本堂で観音経を唱え、その後、御前様のお話が聞けますよ。毎週日曜あさ9時、護国寺本堂へ直接おいでください。申し込み不要、参加費は無料です。護国寺へは東京メトロ有楽町線護国寺駅下車、1番出口をご利用ください。
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般若の智慧
(不殺生・不偸盗・不邪淫)
二、
(不妄語・不綺語・不悪口・不両舌)
三、
(不慳貪・不瞋恚・不邪見)
大本山護国寺 貫首 岡本永司
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