平成23年1月16日(日)

http://www.youtube.com/watch?v=d5d5YWX7y98&feature=youtu.be&a


サラサラ・サンサーラ

「春の小川はさらさら流る」という童謡があります。また最近は「血液サラサラ」などと薬の広告などに使われております。
この「さらさら」「サラサラ」の意味を辞書で見ますと「水などが浅い所をよどみなく流れるさま」とか「物事がつかえずにはかどるさま」「物に粘り気や湿り気がないさま」などと出ております。

梵語に物事の流れを示すサンサーラという言葉があります。このサンサーラは輪廻とか流転と訳され、生あるものが生死を繰り返すことを申しております。
仏教では迷いの世界に生死を繰り返す私達のこの世界のことをさしますが、サンサーラとサラサラは何か似ているような意味があるように思われます。

私達の体は血液がサラサラ流れずに滞れば病気になり止れば死んでしまいます。そして水や血液ばかりではなく宇宙の凡ての自然現象や物事はサンサーラしていると申せます。
サラサラ流れていないと成り立たないものばかりであるといえます。この事を歌った歌に「岩もあり木の根もあるサラサラとただサラサラと水の流るる」というのがあります。自然現象や体の状態ばかりではなく、私達の心や気持ちも何か執着し、とらわれてしまうとそこに止まっていつまでたっても流れることが出来ず様々なトラブルが起きるもとになることはご承知の通りであります。

日々の生活の中で血液サラサラで健康であるように気を付けると共に心も気持ちもサラサラ・サンサーラして正しく輪廻して参りますよう心掛けたいものであります。

大本山護国寺貫首 岡本永司