平成23年1月23日(日)

「言 語 道 断」

http://www.youtube.com/watch?v=CmQ9A63MfpY


現在ではこの言葉は「もってのほかだ」とか「とんでもないことだ」とか言って大きな過ちを非難する時などに使われております。しかし本来は文字通り言葉や言語などで表現する道が断たれることで言語では表現出来ない深遠な真理を申しておるのであり道は口で言うことの意であります。


この言語で表現し得ぬものの代表はおさとりのことで仏説華手経に「出世間の法は即ち無言説にして言語道断・心行不滅」とあり法華経には「諸法は空であり一切語言の道断へ」と出ております。又、言語道断の厳儀と言えばあまりに立派なことで言葉では表現出来ぬ程であるということであります。

これがあまり悪くて何とも言いようがないというような意味で使われているのは何とも残念なことであります。言葉は時代によってさまざまに変った意味にとらえられたり、人によって使い方が異なることもあるので宇宙の真理を見極めんとすると言語では伝えきれないということになります。
いくら氷はつめたいものであると口で説明しても水を知らぬ者にはわかりません。実際に手にふれさせてはじめて水のつめたさがわかるということであります。
道元禅師は不立文字、言語道断と申しながら「言語道断とは一切の言語をいう」として言語を生かして使うことを説いておられます。私たちは言葉、言語の大切さを知って人の言葉を聞き自らも使って参りたいものであります。

 

大本山護国寺貫首 岡本永司