平成23年3月6日(日)

「独鈷・三鈷・五鈷」

http://www.youtube.com/watch?v=bCQr8wRf12E&feature=youtu.be&a



皆様御承知かと思いますが、水前寺清子さんの唄に「いっぽんどっこの唄」というのがあります。この「いっぽんどっこ」とは実は仏教の言葉であります。漢字に書くと独鈷となります。これはインドの神インドラ神の武器でヴァジラ(鈷)であって怨敵を征伐し悪魔を払う道具であります。これが仏教に取入れられてからは護身の道具であり、又煩悩を打ち砕く法具とされました。特に密教では大日如来の真如法界を表すものであると共に、煩悩をはらってまっすぐに進むという教を現すものとされております。鈷は主として金属で作られており、握りの両端に一つずつ瓜のあるものを独鈷といい、三つ瓜があるのを三鈷、五つあるのを五鈷と申して特に真言密教では前述のように身を護ると共に自らの煩悩を打破りおさとりへの道を開く大切な法具となっております。言い伝えではかつて弘法大師が唐に渡り真言密教を伝授され、日本に帰る途中の船の中よりこの三つの法器を我国に向って投げられその内独鈷は室戸岬にとまり、三鈷は高野山にとまり、五鈷は京都にとまったということで現在それぞれの所に青龍寺(豊山派)高野には金剛峰寺、京都には教王護国寺(東寺)の三ヶ寺が弘法大師の開基の寺として建てられております。その他弘法大師は常にこの鈷を所持されて各地に弘法の井戸や弘法の湯(トッコの井戸、トッコの湯)などもこの独鈷で堀あてられたといわれております。そうした霊験ある独鈷を私たちは心の中に持つ心構えと共に大日如来初め諸仏菩薩に護られながら、自らの道をきりひらいて参りたいものであります。

 

大本山護国寺貫首 岡本永司