平成23年4月10日

「初 心」


http://www.youtube.com/watch?v=I5NPAOkGqEI
 

私たちはよく「初心にかえって」とか「初心忘れるべからず」とか自動車免許とりたての人は初心者マークの札をつけて車の運転をしております。
この初心というのは未だ習い始めて不なれであり未熟であるということと物事を始めた時の純粋で謙虚な気持というように二通りに使われたり考えられたりしております。
しかしこの二通りは実は一つのことで私たちが直面する
凡てのことにあてはまることであります。そして初心とは大切な仏教語でもあります。
即ち初発心のことで発心とは発菩提心の略であります。仏の教えを習い実践して行こうと初めて発した心ということであります。従って入りたてでまことに未熟であるが純粋で一生懸命に仏道を志す心が初心の本来の意味になります。

この初心が一般に使われるようになったのは仏教に源を持つ能楽を大成された世阿弥がその能楽論書「花鏡」の中で「是非の初心忘るべからず時々の初心忘るべからず老後の初心忘るべからず」の句を残されそこから初心の句が使われるようになったようであります。
世阿弥は能を習いはじめた時の芸に対する心を忘れてはならぬと戒めたのですがそこから何事に於ても最初の心持、真剣さそして目的を忘れてはならぬということになりました。私たちはややもすると初めの内は真剣に心をつくしますがしばらくすると油断しがちであります。即ち初心忘れがちになり失敗することになりがちです。

私たち仏教徒は本来の初心の意味をしっかりと受止め菩提の心をおこし、仏道を歩んで参りたいと念じております。

大本山護国寺貫首 岡本永司