平成23年7月24日(日)

「五色光印・五色放光印」

 

右手の五本の指を立て外へ向ける型を真言宗では五色光印と申し立派な印契であり、光明真言を誦する時に結ぶ印であります。そしてこの五本の指それぞれ五つの色と五種類の修法の種別が決められております。
即ち指の五大を表す時は小指から順に地・水・火・空・風であり配色は小指から黄・白・赤・黒・青の順となっております。
これを修法の種別に配しますと小指から順に増益・息災・敬愛・調伏・鉤召の五種になります。何故小指が黄色で増益法(ご利益を増す法)であるかというと大地は万物を生み育て多くのいのちのみなもとであるということ。そして黄色は米や麦や果実のみのりの色であり、増益法となります。
次に薬指ですがこれが白色で息災法となるのは、水は凡てのいのちのみなもとであり、自性清浄を意味する無色透明であることを白にたとえております。
中指は赤色で敬愛法をあらわしますが、敬愛とは異性間の愛情好悪、情熱を意味する灼熱の赤色であります。
次に人差し指が調伏法(難調の者を正しく導く法)で黒色かというと暴風強風が物を破壊する威力にたとえ、その威力は黒色が凡てを消すように凄まじいものであることを表しております。
そして最後に空にあたる親指は青色であり、鉤召法であります。鉤召法はとにかく自分に背きそっぽを向いている人を自分の方に引き寄せることと俗解されておりますが、本来は地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕ちて苦しむ衆生を法の力によって楽の世界即ち天に引き上げることです。天とは空であり青色であるということであります。
以上のように五色光印(五色放光印)は私達の様々な願いとその成就を光明真言を誦する時に用いることによって菩薩の御加護を頂かんとする大切な法印であります。

大本山護国寺貫首 岡本永司