道 楽

 仏道修行によって得られたさとりのたのしみをいいます。阿育王経巻八に「今己得道楽」とあり、又法華経にも「道を以て楽を受け」とあるように法悦の境界をいうのである。現在の日常語で使われている意味とは大変かけはなれてしまっております。「道楽息子」 「食道楽」 「道楽者」

 

娯 楽

本来は増一阿含経に「迷あり、娯楽を以て断ずることを得」とあるように本来は精神的な安らかさと楽しさを覚えることでありました。それが次第に音楽、歌舞、演劇を自ら演じたり見たり聞いたりする楽しみに変わってきました。原始仏教教団ではこれ等は一切許されなかったが大乗仏教に至り大衆に普及する為に仏塔礼拝の折など音楽歌舞が行われました。

 

安 楽

仏の世界の楽しさ心安らかで苦学の無いことをいうが、本来は阿弥陀如来の在す極楽の別名で経に「其の佛の世界を明けて安楽と云ふ」とあり安穏快楽なるさとりの世界をいいます。
 
大本山護国寺貫首 岡本永司